日本軽金属ホールディングス株式会社

「夢」あるみらい

暮らしの根幹にある水の安心を支える「ニッケイジアソー5水塩」

従来は液体であった次亜塩素酸ソーダを世界で初めて固形化することに成功しました。 深刻度を増す世界の水問題の解決など、人々の暮らしに役立つ可能性を持っています。

ニッケイジアソー 5水塩

世界初! 固形の次亜塩素酸ソーダ(塩素系殺菌・水処理剤)

「水」を安心して利用するためには、殺菌・消毒は欠かせません。次亜塩素酸ソーダ(ジアソー)には殺菌・漂白・酸化作用があり、飲料水や食品の殺菌・消毒に使用されています。他方、ジアソーは有効塩素 ※濃度が低下しやすい性質のため、保存安定性の改善が求められてきました。
日本軽金属㈱では、長年培った高純度化技術をもとに固形化を図り、高濃度で安定性に優れた「ニッケイジアソー 5水塩」の開発に世界で初めて成功しました。

※有効塩素:殺菌や酸化反応に有効に作用し得る塩素化合物のこと

より強力に、安全に、扱いやすく

従来、ジアソーは液体のため、運送・保存の際にはそれぞれ専用の運搬車や貯槽タンクが必要でした。今回、固形化に成功したことにより運送が容易になり、保存の際にも省スペースで対応でき、冷蔵( 7℃)保管すれば120日以上の長期保管が可能です。
また、有効塩素が従来の 3倍以上の濃度になったことにより、少量を水などに溶かして使用することで目的ごとに自在に濃度を調整することができます。
ニッケイジアソー 5水塩は従来の殺菌・漂白だけではなく、高濃度・安定・弱アルカリ性といった特長から工業用の酸化剤・塩素化剤としても期待でき、さまざまな化学反応に利用できる可能性があります。

ニッケイジアソー5水塩と一般品の比較

 効能状態液性有効塩素
ニッケイジアソー5水塩 殺菌、漂白 固体 弱アルカリ性
(ph11.0以下※)
42%
ニッケイジアソー(一般品) 殺菌、漂白 液体 強アルカリ性
(ph12.0以上)
12%

※溶解させた状態での計測値

更なる可能性を目指して

ニッケイジアソー5水塩は、低温輸送をすれば世界中に運ぶことができ、将来は世界の渇水地域での飲料水確保のための水処理薬剤として一役を担える可能性を持っています。
また、製品内の不純物を極限まで低減させることで臭素酸や塩素酸を低減させることができ、より安全な飲料水の提供が可能なだけでなく、医療現場での利用など多様なニーズへの対応が期待できます。
日本軽金属㈱では、今までにない製品の開発を継続していくことでさらなる可能性を追求し、人々の暮らしの中に「夢」あるみらいをつくっていきます。

開発者メッセージ

全く新しいジアソーです!

日本軽金属㈱
蒲原ケミカル工場 生産第一課

伊東 宏倫





近年、水道水中の不純物基準値が強化されるなど、高純度の次亜塩素酸ソーダが求められています。
このニーズに対応するべく当社の特許技術を活用し、高純度品「ニッケイジアソー S」を開発し、製造・販売しています。この取組みの中で生まれたのが、ニッケイジアソー 5水塩です。
ニッケイジアソー 5水塩は、酸化剤として使用した場合、ニッケイジアソー Sに比べて 30%の排水を削減でき、環境負荷の低減にも貢献しています。

未来の暮らしに欠かせない電池材「リチウムイオン電池ケース」

携帯電話のリチウムイオン電池ケースにアルミ材を提供し、軽量化・大容量化に貢献しています。

リチウムイオン電池ケースにアルミ材を採用

携帯電話は、私たちの生活になくてはならない存在となりました。その携帯電話の電源にはリチウムイオン電池が使用されており、リチウムイオン電池の特性から、金属製のケースが使われています。
かつて、リチウムイオン電池ケースはステンレス材が主流でしたが、軽量化が求められるようになり、アルミ化が進みました。また、限られた電池スペースの中での大容量化が求められていました。
日本軽金属㈱では、強度を維持しながらケース自体の厚みを薄くすることによる大容量化を実現しました。同時に、成形性・レーザー溶接性も確保しました。その結果、携帯電話の電池ケース市場において、世界でトップメーカーとなることができました。
最近はスマートフォンの普及が進んで、より大容量化が求められており、さらにはさまざまな形の成形への対応が求められている中で、私たちのアルミ材が活躍しています。

リチウムイオン電池ケース

リチウムイオン電池ケース

携帯電話からハイブリッド車、そしてスマートハウスへ

携帯電話用電池ケースで実績のある私たちは、次の取組みとして、より大型の電池ケースを開発しています。それがハイブリッド車・電気自動車用リチウムイオン電池ケースです。ハイブリッド車はニッケル水素電池搭載車がメインでしたが、近年、リチウムイオン電池搭載車も出てきており、私たちのアルミ材が活躍しています。
また、近年話題になっているスマートハウス ※用の蓄電池用材料も開発しています。スマートハウスは開発途上ですが、未来の暮らしの向上に私たちのアルミ材が活躍していくことを目指しています。
※スマートハウス: ITを使って家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅

自動車用・住宅用蓄電池のケースとしてアルミ材を使用

スマートハウス

開発者メッセージ

電池の未来とともに

日本軽金属㈱
板事業部 名古屋工場

藤井 孝典




当初、電池材の開発においては、他社が先行する中での取組みとなり、その中で優位性のある製品を開発しなければならず、大変苦労しました。 電池材には強度を求められるのですが、ただ強度を高めるだけだと溶接性や成形性が損なわれますので、そのバランスをどう上手くとるかがポイントでした。 開発にはかなり苦労しましたが、結果良い材料をつくることができ、シェアを伸ばすこともできました。 今後も、車載用大型リチウムイオン電池材やスマートハウス用電池材で、より良い製品を開発していきたいと考えています。