日本軽金属ホールディングス株式会社

アジア物流の扉をひらく

物流業界の常識を覆すタイ王国初のアルミ製10ドアバン
「次世代10ドアボディ」

最高気温の年間平均が32℃のタイでは、日よけのために物流倉庫の軒先が低くできています。そのため、架台の側面が跳ね上がるウィングタイプのトラックではなく、左右の側面にそれぞれ4枚ずつ、後方に2枚の扉を備えた10ドアバンが主流です。しかし、10 枚の扉は鉄でできているため、1 枚100kg と非常に重く、扱いにくいものでした。また、作業員の身体への負担が重いことや、開閉時の挟まれによる事故などの危険が深刻な問題になっていました。
 この問題を解決するため、日本フルハーフ㈱は軽くて強いアルミニウムを使うことによって、タイ初となるアルミ製扉を備え た「次世代10ドアボディ」を開発しました。

 

日軽金グループの総合力が物流企業の問題を解決

「次世代10 ドアボディ」は、日軽金グループの総合力を活かし、日軽金アクト㈱、ニッケイ・サイアム社が協働で開発した形材によるアルミ製扉を使用することにより、鉄製と比べて強度を維持したまま、扉1枚で約20kg、全体で約200kg の軽量化に成功しました。
 また、扉やフレームの接続部品などの機構にひとつずつ改良を重ねた結果、従来は作業員が体重をかけるようにして両手で引っ張らなければ開閉できなかった扉が、片手でも容易に操作可能になり、作業効率、労働環境、および安全性が大幅に改善されました。
 さらに、雨水などの浸入を防止するようにドアの構造を改良(特許出願中)し、従来は2、3 年で改修が必要だった扉の寿命を約3 倍に向上させました。

アジア物流の未来をひらく

タイでは近年トラック輸送が盛んになり、繁忙期にはドライバー不足に悩む物流企業も少なくありません。扉の開閉が容易な「次世代10ドアボディ」は、女性や高齢者のドライバーの採用を可能にしました。ますます拡大するアジア全体の物流に貢献することが期待されます。
 また、近年アジアでは外食産業やコンビニエンスストアなどの近代的小売店の拡大を背景に、冷凍冷蔵食品の消費が伸びており、それを支える低温物流の需要が高まっています。日軽金グループは、冷凍車などの輸送機器から、食品工場や低温物流倉庫まで、グループの総合力を活かして、アジアの食の安全・安心を高めていきます。



 


 担当者の声

丘 嘉孝日本フルハーフ㈱ 現地子会社
フルハーフマハジャック社 代表取締役社長

おか よしたか
丘 嘉孝

 

日本とは違う物流事情を抱えるタイに進出するにあたり、最も大きな課題となったのは、当社の主力製品であるウィング車が普及していないということでした。そこで我々はタイで主流の10ドアバンを使用している物流企業を対象に、既存車両の問題点の聞き取り調査を行いました。開発には色々な苦労がありましたが、お客さまには大変好評をいただいており、「作業が楽になった」、「作業時間が短縮された」、「腰の負担が軽くなった」などの感謝の声をいただくことができました。
ASEAN 経済共同体がスタートし、物流への期待が急速に高まる中で、私たちが果たすべき役割はますます大きくなると感じています。「次世代10ドアボディ」をきっかけとして、女性や高齢者などの活躍の場が、物流業界にも広がることを期待しています。