日本軽金属ホールディングス株式会社

CSR報告書

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日本軽金属グループCSR報告書

第三者意見

藤井 敏彦 氏

経済産業研究所コンサルティングフェロー
藤井 敏彦 氏

 
 
  日本軽金属グループの本年度CSR報告書は、岡本社長がトップメッセージで述べられている「独自の企業価値」、「異次元の素材メーカー」、そして「グローバル化」の視点がしっかり骨格をなし、同グループの取り組みが着実に前進していることを伝えている。GPIFが選定したESG指数の251銘柄の一つに選ばれたことはそのことを端的に物語るものである。 
  とりわけ、次の3点を高く評価したい。 
  まず、環境について。一つは開示情報対象の海外への広がりである。温室効果ガス排出量実績には今年度から海外サイトが含まれている。さらに、初めて海外で環境担当者会議が開催された。海外の工場・事業所も含め情報・目標を共有することの重要性は論を待たないだろう。 
  二点目に、安全・安心な職場づくりについても、タイのニッケイ・サイアム社からの参加を得ていることは大いに歓迎すべき新機軸であり、来年度以降一層の拡大を期待したい。 
  三点目はサプライチェーンの人権デューデリジェンスの着実な実施である。世界的に見て今後ますます重要となるイシューであり、引き続きの取り組みに加え情報開示の充実を期待したい。 
  他方、今後の課題として数点指摘したい。 
  まず、最大の課題は温室効果ガスの排出削減目標の更新である。2030年度を目標年度とする目標の設定は急を要する。その際、現状を出発点として削減可能量を積み上げていく発想では限界がある。社会的目標と業績目標の質的違いを是非認識してほしい。前者は非連続な将来に向けて組織の発想の転換を促すための挑戦としての目標である。 
  二つ目は関連するが、国内サイトの温室効果ガス排出量が増加となったことである。ただ私が懸念するのは、排出量の増大自体ではない。本質的課題はこのことが野心的な新計画の策定に対する心理的障害とならないようにすることにある。足元に過度にとらわれることは避けなければならない。 
  三つ目はSDGsとより深く切り結んだCSR活動である。本年度ステップ1活動を開始したことは重要な第一歩であるが、是非今後、CSR活動全体をSDGsと深く関連づけることでより広いステークホルダーに訴求するものとしてほしい。独自の価値観をもった異次元の素材メーカーならではの世界共通課題への取り組みに期待したい。 
  最後になるが、特集「ツナグを創るNikkeikin」は何れも日本軽金属グループの技術や製品が社会的連帯の創造に貢献している姿をわかりやすく示しており大変興味をかき立てられた。 
このことを付記し、日本軽金属グループのCSR活動の一層の進展を期待し私の第三者意見としたい。

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