温室効果ガス排出削減
温室効果ガス排出量実績
日軽金グループの2019年度の温室効果ガス排出量(スコープ1、スコープ2)は、前年度比154千㌧-CO2減(17%減)の731千㌧-CO2となりました。
うち、国内は142千㌧-CO2減の606千㌧-CO2でした。これは、省エネルギー活動による排出量低減に加え、生産減による使用エネルギーの減少や、電力のCO2排出係数が下がったことなどによるものです。
海外は、横ばいの125千㌧-CO2となりました。
スコープ3は1,773千㌧-CO2で、前年度比251千㌧-CO2減となりました。これは、生産減により原材料の購入量が減少したことによるものです。
温室効果ガス排出量の推移(スコープ1、スコープ2)(千㌧-CO2)


スコープ3を含めた温室効果ガス排出量(2019年度)(千㌧-CO2)

※スコープ1: 直接排出する温室効果ガスの排出量(灯油、重油の燃焼など)
※スコープ2: 電力などの使用によって間接排出する温室効果ガスの排出量
※スコープ3: サプライチェーンで間接排出する温室効果ガスの排出量
※集計範囲: 国内連結子会社全製造子会社31社、
海外連結子会社全製造子会社14社
※算出には、次のCO2排出係数を使用しています。
国内電力: 電気事業低炭素社会協議会公表の前年度使用端CO2排出係数
海外電力: IEA「CO2FCOMB 2017」の各国別CO2排出係数
燃 料:環境省令の各燃料の単位当りのCO2排出係数
(日本軽金属㈱蒲原製造所の水力発電電気は、国内電力CO2排出係数を使用)
※実績値にはフロン起因の排出量は含んでいません。
スコープ3排出量の内訳
年度 | 2017 | 2018 | 2019 |
---|---|---|---|
カテゴリ1 購入した製品・サービス | 1,926 | 1,947 | ★1,690 |
カテゴリ2 資本財 | 22 | 35 | 42 |
カテゴリ3 カテゴリ1、2に含まれない燃料およびエネルギー | 28 | 34 | 34 |
カテゴリ4 輸送、配送上流 | 11 | 11 | 0 |
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 | 4 | 5 | 4 |
カテゴリ6 出張 | 0 | 0 | 0 |
カテゴリ7 雇用者の通勤 | 3 | 3 | 4 |
合計 | 1,994 | 2,035 | 1,774 |
※環境省・経済産業省が公表している排出原単位を乗じて排出量を算定しています。
※カテゴリ1はグループ外からの購入量を基準とした上位3品目を対象としています。このうちのアルミ地金の購入量は、日本軽金属(株)グループ・メタルセンターの調達分を対象としています。
※カテゴリ4の算定基準を見直し、2017、2018年度の数値を修正しました。
温室効果ガスの排出量の目標と実績(国内)
日軽金グループは、温室効果ガス排出削減自主行動計画として「2030年度までに温室効果ガス排出量売上高原単位を1.82㌧-CO2/百万円にする」を目標としています。2019年度は、1.60㌧-CO2/百万円となりました。これは、省エネルギー活動への取組み、生産減による使用エネルギーの減少、電力のCO2排出係数が下がったことなどによるものです。
(2020年10月 更新)温室効果ガス排出量の売上高原単位の推移(国内)(㌧-CO2/百万円)

省エネルギーの取組み
2019年度の国内のエネルギー使用量は、前年度比2.3PJ減(16%減)の11.6PJとなりました。
日軽金グループでは、主要サイトのエネルギー管理士で構成する「省エネ部会」を設置し、エネルギー管理や省エネルギーの取組みを推進しています。2019年度は、設備を小型化したことによる蒸気使用量の削減、エネルギー消費効率のよい設備への更新、各所の保温による熱の有効利用、製造工程で発生する温水の再利用による蒸気使用量の削減などを行いました。これらの取組み事例は、省エネ部会で共有し、グループ内の横展開を図っています。また、省エネ部会員の環境監査への参加による省エネルギー活動の促進や、IOT機器を使った見える化も始めました。
(2020年10月 更新)
エネルギー使用量(PJ)
年度 | 2017 | 2018 | 2019 |
---|---|---|---|
電力、蒸気 | 10.8 | 10.4 | 8.1 |
燃料 | 6.3 | 6.2 | 6.0 |
エネルギー使用量売上高原単位(GJ/百万円)
年度 | 2017 | 2018 | 2019 |
---|---|---|---|
原単位 | 35.5 | 33.2 | 30.3 |
TOPICS 保持炉の改造(日軽エムシーアルミ㈱三重工場) |
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日軽エムシーアルミ㈱三重工場では、溶解炉と保持炉の2炉で1ラインを形成して、さまざまな形態のスクラップを溶解しています。改善前は、溶解炉、保持炉ともに前炉付きの炉でした。前炉付きの炉とは、加熱室と開口部がありスクラップなどの材料投入が容易な前炉を組み合わせた炉です。溶解炉ではスクラップを溶けたアルミ(溶湯)に沈み込めながら溶かすため前炉が必要ですが、保持炉では成分調整のために少量の添加材を溶解する程度であるため、前炉が必ずしも必要ではありませんでした。そこで、前炉付きの炉から、前炉が無く放熱面が少ない密閉式の炉に改造しました。これにより、エネルギー消費量は目標の20%を削減することができました。さらに、前炉を撤去することで、傷みやすい加熱室と前炉をつなぐトンネル部の修繕がなくなったため修繕費が削減されました。さらに、加熱室と前炉のそれぞれで必要だった灰の掻き出し作業が一度で済むようになり作業効率の改善にもつながりました。 |
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コージェネレーションシステム(コジェネ)の導入(日本軽金属(株)清水工場)
日本軽金属(株)清水工場は、水酸化アルミニウムやアルミナを製造しており、その製造工程において多くの電気や蒸気を必要とします。過去には重油を原料とした自家発電機を使用して多くの温室効果ガスを排出していました。この課題に対応するためコジェネを導入し、2019年1月より稼働開始しました。
コジェネは都市ガスを使ってエンジンを回して電気をつくると同時に、発電時に排出される熱も利用して蒸気や温水をつくるシステムです。
コジェネから発生する温水には未利用のものもあり、今後これを他の製造工程に利用することでさらなるエネルギーの効率利用、温室効果ガス削減に取り組みます。
(2020年10月 掲載)

コージェネレーションシステム
担当者の声

日本軽金属(株) 清水工場 設備課動力係 今井 達也さん
動力係では、清水工場のユーティリティーの管理を担当しています。コジェネ設備の導入は、エネルギーコスト削減・省エネを目的に約4年前から検討され、2017年から工事開始し、2019年1月より運用を開始しました。
運用開始後は、最も良い効率での安定稼働となるよう、現場の方々と日々意見交換をして勉強している真っ最中です。コジェネにトラブルが起きれば工場全体が停止してしまうという緊張感と、清水工場の省エネを推進するという強い使命感で、全員一丸となって日々の業務に励んでいます。
省エネルギーのための設備投資(東洋アルミニウム(株))
東洋アルミグループは、パリ協定で定められた温室効果ガス排出量削減に貢献するため、環境効率の良い設備投資を積極的、計画的に実施しています。
2017年度は、群馬製造所でVOC処理装置を新たに1基導入し、稼働していたうちの3基を廃止しました。この結果、都市ガス使用量60%削減(950㌧-CO2)、および電力使用量17%削減(40㌧-CO2)をそれぞれ達成することができました。
(2020年10月 更新)

物流における環境への取組み(日軽物流(株))
日軽金グループの物流部門を担当している日軽物流(株)は、環境への取組みを積極的に実施しています。
CO2排出量の推移

燃費の推移

燃料使用量の推移

物流における環境法の対応
日軽物流(株)は輸送事業に関係する法令・規則の遵守を徹底しています。
従来から、日軽物流(株)では法令遵守を主眼とした独自のEMS(環境マネジメントシステム)を運用してきましたが、2012年度から輸送事業者としての遵守項目を加えた「NLC※エコ(環境保全活動)社内認定制度」を導入し、運用を開始しました。これにより、全国の少人数の営業所等においても環境関係法令への対応などをさらに充実させています。
(2020年10月 更新)
- 環境保全活動
物流における安全管理
日軽物流(株)は、化学物質輸送における乗務員の「イエローカード」携帯の管理を徹底しています。また、物流事故の防止、および万一の事故時の適切な対応力をつけることを目的に、タンクローリーからの漏洩を想定した薬液漏洩遮断処理訓練や、事故を想定した被災者の救護訓練などの緊急時対応訓練を定期的に実施しています。さらに、公道上の事故の際の通報体制も整備して、迅速に対応できるように努めています。
(2020年10月 更新)
※イエローカード 化学物質や高圧ガス輸送時の万一の事故に備え、ローリーの運転手や消防・警察などの関係者がとるべき処置を書いた緊急連絡カード
- 薬液漏洩遮断処理訓練
NLCエコ社内認定制度
日軽物流(株)は、「NLCエコ社内認定制度」の運用を2012年度より開始しました。「NLCエコ社内認定制度」とは、事業活動における環境負荷の削減を図り、環境に優しい輸送事業者となることを目的とした、日軽物流(株)独自の環境保全活動であり、グリーン経営(環境負荷の少ない事業運営)を基本としています。
「NLCエコ」は、少人数の営業所でも環境保全への取組みができる仕組みになっており、日軽物流(株)ではこの活動を通して、エコドライブの推進ならびに従業員の自主的な取組みへの意識の醸成や士気の向上を図っています。
(2020年10月 更新)
乗務員の運転管理の向上
日軽物流(株)ではCO2排出量削減の活動を継続して行っています。また、GPSによる効率的な運行管理システムとGセンサー(加速度計)による不要な急加減速を排した適正速度管理システムを併用することにより、さらなる経済速度運転に結びつけています。この他、エコドライブ研修会の開催(全国7カ所)、環境に関する教育と乗務員表彰制度の充実など、乗務員の環境への意識を高める活動を継続的に実施しています。
(2020年10月 更新)
- トップメッセージ
- CSR報告書
- 事業を通じた取組み
- 日軽金グループと社会のかかわり
- 新橋移転プロジェクト(2020年度特集)
- アルミでサステナブルな社会へ(2019年度特集)
- 想いをカタチに Through and Through Nikkeikin(2018年度特集)
- ツナグを創るNikkeikin(2017年度特集)
- 未来の扉をひらく異次元の素材メーカー(2016年度特集)
- ミライをつくるみんなの想い(2015年度特集)
- もっと快適に、もっと軽やかに、もっとアルミニウム(2014年度特集)
- 地球とあるみらい(2013年度特集)
- 地球がよろこぶDNA(2012年度特集)
- CSR推進
- CSR推進体制
- 日軽金グループのCSR推進計画
- 重要課題の選定に向けて
- 組織統治
- コーポレート・ガバナンス
- 株主・投資家との関わり
- 内部統制
- 社外取締役インタビュー
- 人権
- 人権方針
- 人権に関する取組み
- ダイバーシティ・マネジメント
- 対談 ~共生社会の実現に向けて~
- 働くママの声
- 労働慣行
- 雇用
- 安全衛生
- 新型コロナウイルス対応
- 人財育成
- ワーク・ライフ・バランス
- 環境
- 環境マネジメント
- 環境目標と実績
- マテリアル・バランス
- 温室効果ガス排出削減
- 大気・水質保全
- 廃棄物削減と再利用の取組み
- PRTR届出物質排出量
- 生物多様性保全
- 持続可能な資源の利用
- 環境教育
- 環境会計
- 公正な事業慣行
- コンプライアンス
- CSR調達
- 知的財産の保護
- 通関業務管理制度
- 消費者課題
- 品質マネジメントシステム
- 品質監査
- 品質保証レベル向上の取組み
- 製品含有化学物質管理
- 製品・サービスの適正表示に関する取組み
- 分析・試験体制
- ISO9001取得状況
- コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
- 社会貢献方針
- 災害対策
- 地域・社会との関わり
- 教育活動
- 顕彰実績
- 社会貢献会計
- 雨畑ダム周辺地域における浸水対策について
- データ編